写真手帖

写真作家の2人が写真を撮りながら考えたこと。

フィルム写真とデジタル写真の質感やお金のこととか

こんにちは、kikutaです。

今回はちょっとトレンドがきているフィルム写真について書きます。

フィルムとデジタルについてはあちこちで語られていますが、例に漏れず僕も頭が変になる程考えたので、書き記すことにしました。

 

 

僕はデジタルとフィルムの両方で撮影します。個人的感性で言えば、基本的にフィルムの写真の方がすきです。

下の写真は四国の島々を観光して撮ったスナップです。

 

 

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 Contax T3 業務用400

 

デジタルでフィルム写真が持つ質感を再現するためにアレコレ考え実験してますが、やっぱり本物にはなれません。

とても美味しくて安い松茸のお吸い物売ってますよね。あれはあれでとても美味しいです。でも、やはり本物の松茸の味とは別物なのです。 

 

 

フィルムで撮った写真は、どうでもいい風景だったとしても、少しブレていたとしても、何か心につっかかってくることが多いのです。

 

 

下は僕が撮ったスナップ写真です。

一目見ればわかるかと思いますが、上がフィルムで下がデジタルです。

 

 

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上: ContaxT2  Ektar 100

下:α7ii 55mm F1.8 VSCO 400H

 

 

 

 

フィルム写真の特徴はあちこちでアレコレ分析されているので、

僕なりにほんわかした結論を出すと、僕はフィルム写真は人の記憶に近いんじゃないかと思っています。だから心地よいし、上手く撮れてなくてもなんか許せちゃう。

 

フィルム写真って一見階調・抑揚が豊かでドラマチックですが、拡大すると、細かいところはよく見えなかったりしますよね。

予想外な色がついたり、よくわからない光やノイズが入り込んだりもします。

 

記憶もそんなもんですよね。

よく思い出そうとすると、細部までは思い出せなかったり、変なところだけ妙に印象的に残ってたり。他の記憶のノイズが入り込んだり、自分の感情のフィルターがかかったり、、。

 

だから、フィルム写真は人間の脳の記録リズムに近いのだと思います。フィルム写真を見た時、まるで記憶を共有しているかのような印象を受けます。

 

 

スマートフォンやパソコンによってカンペキで正確な生活を求められるようになった私たちに、何かを思い出させるようです。

 

そんなイマだから、フィルムのちょっとゆるい感じが、デジタルと共に育ってきた若者にも受けているのだと思っています。

 

逆に、デジタル写真はまさに記録です。

正確で、ぼくらの要求に一生懸命答えます。非常に優等生で仕事ができます。

それ故に"余白"がないのかもしれません。

 

 

ちなみにフィルムっぽくしたいと思えば、頑張って近づいてくれます。

(フィルデジとでもいいますか、フィルムとは異なる新ジャンルのようなものだと思っています。)

 

 

 

急にお金の話になりますが、以下フィルム写真の悲しい現実です。

 

フィルム費合計=フィルム代+現像(+データ化)

450+600=1050円

1050/36≒30円(36枚撮り、一枚あたり)

 

自分の場合最安のフィルム&フィルムスキャナーでデータ化し、大体一枚あたり30円くらいかかっていることになります。

 

1ショット30円‥、財布から30円‥、あ、ミスった!でもやっぱ30円‥。あなたも私も30円。

 

 

 

あぁ、記憶が一つ30円なんて‥(泣)

 

 

 

 

 

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makina 67 pro160NS

 

追加

そのうちフィルムスキャナーのレビューも書いてみることにします。