写真手帖

写真作家の2人が写真を撮りながら考えたこと。

【ゆる講座】写真で表現したい人のために、僕なりの考え方を解説します

kikutaです。

 

 

みんなと違う自分だけの写真を撮りたい!

 

 

って人のために、一応何年もそんな感じのことやってる僕が恐れながらゆるーく解説してみようと思います。

 

 

 

まずは、予備知識からいきましょう。

写真表現をするなら覚えておきたい言葉を紹介します。

"ピクトリアリズム"

です。

 

 

 

最近、飯沢耕太郎さんの写真の力という本を何気なく読み、その中でめちゃくちゃ参考になる内容が載ってたのでここで紹介してみようと思います。

 

 

 

ピクトリアリズムの写真とは、下記の写真みたいな作者なりの表現を取り入れた写真のようで、1800年代の末頃に流行しました。

 

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(出典:https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/profile-of-exhibitions/?exhibit_id=4201409051)

 

 

当時の写真というのは世間からは芸術としてはみなされず、その風潮に抗うべく、一生懸命写真による表現を試みた人たちがいたそうです。

その流れがピクトリアリズムです。

 

 

珍しく真面目なこと書いてる・・。

 

 

 

 

当時機材のレベルも段々と上がってきて現実世界のコピーは作り出せるようになってきていたそうです。

そういう写真界の急速な技術の進歩に反発したのか嫌気がさしたのか、一部のアマチュア写真家などを中心に自己表現の流れが生まれたとのことでした。

 

当時は今みたいにPhotoshopなんかないですから、実にアナログな道具つまりはフィルム・画材・光・レンズ等々を駆使して、ぼやかしてみたり塗ってみたり化学反応を利用したり、どうにか自分の世界を表現したそうです。

 

 

 

なにそれめんどくさそう!ハードル高っ!!🐯⚡️

 

 

 

 

彼らが現代に蘇ってPhotoshopの存在を知ったら衝撃と感動のあまりぶっ倒れてしまいそうだよね・・。

 

 

 

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(出典:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-350.html)

 

 

そして、ここからが僕の考察です。

 

 

ここ数年、一部の人、アマチュア写真家界隈の間で、ピクトリアリズムの流れ、またはそれに近い現象が起きているのではないかと感じてます。

 

最近はスマホでもカッチリ綺麗な写真は撮れるようになりました。

たぶんテキトーな遠景写真くらいなら、ちゃんと一眼レフで撮った写真と比較しても大差ないです。A3くらいに印刷すればわかるかもしれませんが、スマホならまずわからないですね。

(上記の参考に、僕がスマホで撮った写真をフィルムっぽくレタッチした記事があるので見てみてください。)

 

kikutabayashi.hatenablog.com

 

 

誰もが持ってるスマートフォンのカメラの画質が異様に向上し、今や誰でも写真が撮れてしまう。だれでも常にカメラを持ち歩く、万人プチ写真家の時代なのです。

これはみんながスマホを使うようになったここ数年の流れです。実にタイムリー!

ガラケー時代の写真なんてろくなもんじゃありませんでしたので。

 

 

写真を撮るための敷居になっていた技術面のハードルがなくなり、

 

 

 

アカン、綺麗な写真を撮るのもう飽きたわ!

 

 

 

と血迷った人達が、フィルムを使ってみたり自分のトーンをつくってみたり、表現行為に走り始めたのだと思います。

 

 

かくいう自分もそっち寄りの考え方をしている人です。

なので、あーこれたぶんそうだわと思う自分の写真を貼って解説しようかなーと思いました。

 

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なんかもうどれもこれも技術的には、クソみたいにヘタクソな写真ばっかりですね。

なにこれ失敗写真?

って思う人もいると思います。

(否定はしません。なんかへんなもんばっか撮ってすみません)

 

 

 

でもまって、ちょっとだけ言い訳を聞いてほしいんです。🐯⚡️

 

 

 

 

まず1枚目、わざとシャッター速度を遅くして、ブラして撮ってます。

そして電線・電柱に街灯や車の薄明かりが反射して、それが光の線になって写り込んでます。

自分がカメラを構えたとき、そうした方が面白い写真になると感じたから、とっさにこういう撮り方をしました。

 

 

次に2枚目、フィルム写真です。

日暮れ近くの薄青い周囲の色味に赤い文字が何やら映えると思い撮影しました。そしてわざとややアンダー(暗め)に撮影してます。

 

 

最後に3枚目は、夕陽が綺麗でしたがそれだけだと何にも面白くないので、カーブミラーに夕陽を反射させて反対側の景色も見せてます。むしろ見せたいのはミスって写り込んだっぽいミラーの中の景色なのです。

 

 

 

 

というわけでした。

(なんだろう参考になるのかこれ..?)

 

 

全部、意図した失敗行為(?)を行っています。

表現したり個性をだすには、一般的な正解とは違う操作をしなければいけません。

 

 

それは純粋に、自分の目指す写真が一般的な正解の操作だけだと生み出せないから、そうしているのです。

 

 

(変な方向に努力しているとも言えます)

 

 

(上記のような自分の考え方を解説してる人ってあんまりいないんじゃないかな..などと思ったり。作家ってみんな自身の作品のプログラム隠したがるし。)

 

 

ちなみにぼくは根本的には綺麗な景色や写真も本当は大好きです。そういうのも撮ります。

僕はバイクに乗りますが、バイクに乗る時は綺麗なものを求めて走ってばかりです。

 

でも"自分が写真でできること"ってなんだろう?

って考えると、こういうへんてこりんな写真ばかりになるんです。

へんてこりん写真でもいいんです、誰かの心にほんの1mmでも刺さってくれれば。

 

 

 

ちょっとまとまりのない記事になったかもしれませんが、

写真を始めたばかりの人、何か打ち砕きたい人、上手になりたい人のために少しでも参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 <まとめ>

  • ピクトリアリズムとは表現を試みる流行である
  • 写真で何か表現するなら、常識を疑い意図を持って撮影をすることが大切

 

 

 

 

 

 

またね〜🐯